長期譲渡所得と短期譲渡所得について
前回は土地や建物を売った際の課税譲渡所得金額の計算方法について考えてみました。今回はその中で計算方法にありました、長期譲渡所得と短期譲渡所得金額の税率について考えてみます。
長期譲渡所得は所有期間5年超であり、それに係る税金は、課税長期譲渡所得金額に、
一律20%(所得税15%・住民税5%)の税率を乗じて計算されます。
短期譲渡所得は所有期間5年以下にかかる税金は課税短期譲渡所得金額に39%(所得税30%・住民税9%)の税率を乗じて計算されます。
※ちなみに、国等に対する土地等の譲渡の場合は税率が20%となります。
ここまでは、いずれも土地や建物を売って利益が出た時のお話しですが、必ずしも買った時よりも高く売れるとは限りません。赤字が出るケースもあるかと思います。平成15年までは確定申告をすることにより、譲渡損失と給与所得等の他の所得と通算されて税金が戻ってくる場合もありましたが、平成16年1月1日以後の譲渡から、その他の所得との通算及び青色申告に認められた3年間の繰越控除(居住用財産の譲渡を除く)が適用されなくなりました。ただし、一定の要件を満たす居住用財産の譲渡損失については他の所得との通算及び3年間の繰越控除の適用を受けることができる場合があります。
最後に今回のように譲渡所得がある場合には、翌年の3月15日までに所轄の税務署に申告し、税金を納めることになります。(令和2年版 あなたの不動産 税金は(公益社団法人 全国宅地建物取引業協力連合会(発行・編集)/株式会社テクノート(制作協力)令和2年6月17日第1刷発行)