今回は、賃貸物件について考えます。借りたら必ず返すことが発生します。これは賃貸物件においても必ず発生することです。いつもでどおり分かりやすく解説された本がありますので、その本では、借主は退去時に元の状態に修繕する原状回復の義務があります。その基準をつくるために、国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を定めました。基準は、借主の故意過失と善管注意義務違反です。たとえば、壁紙の日焼けや損耗等は通常の使用で発生するため貸主の負担です。子供の落書きカビの放置した結果の変色などは借主の負担になります。壁紙の場合、変色させた部分だけ張り替えると、他部分の壁紙と差異がありすぎて原状回復していると言えません。一面部分は残存年数分を借主が負担して、残りを貸主が負担することになります。壁紙は6年で減価償却するので、3年経過している壁紙であれば、借主の負担は50%と言うことになります。東京都では、賃貸住宅紛争防止条例に基づき、契約締結時には下記に基づく説明が義務づけられています。
・退去時における住宅の損耗等の復旧について(原状回復の基本的な考え方)
・住宅の使用及び収益に必要な修繕について(入居中の修繕の基本的な考え方)
・実際の契約における賃借人の負担内容について(特約の有無や内容)
・入居中の設備等の修繕及び維持管理等に関する連絡先
ただし、ガイドラインは絶対的な基準ではありません。特約で基準を超えた修繕義務を賃借人に負ってもらうことも可能です。この特約は賃借人に法律上・社会通念上とは別の新たな義務を課すため、以下の3つの条件が必要です。
・特約の必要性があり、かつ暴利的でないなどの客観的・合理的理由が存在する。
・賃借人が特約によって「通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務」を負うことについて認識しているこ
と。
・賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること
以上のように本では解説されていました。入居したら、必ず退去が発生しますので、物件を借りた際はチェックしてもいいかもしれません。
桜森企画では大和市を中心に海老名市、座間市、綾瀬市などのお客様への有益な情報も随時提供しておりますので、お気軽にご相談ください。参考文献:知りたいことがよくわかる!図解不動産のしくみと新常識 2021年4月23日初版発行 著者:脇保雄麻 発行:田村正隆 発行所(株)ナツメ社 制作ナツメ出版企画(株) 印刷所 広研印刷(株)