今回は、不動産価格の特性について紹介致します。いつもどおりに分かりやすく解説された本がありますので、その本では、不動産価格は一物五価と呼ばれており(一般的に公示価格と基準値価格を合わせて一物四価と呼ばれることも)、不動産価格査定を行ううえで参考にされます。5種類の中で、案件ごとに必要となる価格は異なるので、それぞれの価格の特性を理解しましょう。
・公示価格
国土交通省が地価公示法に基づいて公示する標準地の価格です。地域相場を把握するのに利用できますが、土地ごとの個別的要因は反映されていません。公示地価は国土交通省の「土地総合情報システム」で確認できます。
・基準値価格
都道府県が発表するもので、公示価格と同様に地域相場を把握するうえでの参考になります。基準日が公示価格などとは異なります。
・路線価
国税庁が発表する道路に面する宅地1㎡あたりの土地評価額のことです。公示の80%が水準と言われています。相続税・贈与税の算定する基準や金融機関が不動産担保をする際に用いる価格になるなど、重要なものです。国税庁のサイトにある「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で路線価を確認できます。
・固定資産税評価額
市区町村が算定する固定資産税と都市計画税(合わせて固都税と呼ぶ)を支払う際に基準となる価格です。3年1度評価替えが行われます。評価替え前年の公示価格の80%が水準と言われてます。評価額は毎年、春頃に不動産所有者に送付される「納税通知書」もしくは市区町村役場の窓口で取得できる「評価証明書」で確認できます。不動産の購入時に登録免許税や不動産取得税の算定基準にもなるため、資金計画を行ううえで把握しておくべき価格です。
・実勢価格
実際に不動産が取引される際に、いくらで売却できるかを評価した時価のことです。土地や建物の状況はもちろん、心理的瑕疵や債務整理などの個別事情もすべて考慮する必要があります。
このように5つに分類され、それぞれ紹介させていただきました。知っていることでも改めて確認することで、より理解が進んだのではないのでしょうか。
桜森企画では大和市を中心に海老名市、座間市、綾瀬市などのお客様への有益な情報も随時提供しておりますので、お気軽にご相談ください。参考文献:知りたいことがよくわかる!図解不動産のしくみと新常識 2021年4月23日初版発行 著者:脇保雄麻 発行:田村正隆 発行所(株)ナツメ社 制作ナツメ出版企画(株) 印刷所 広研印刷(株)